『ゲームシナリオ』だからこそ成り立つ物語

最初は「これは小説として成り立っているのか?」と疑問に思う事もありましたが、最後まで読んだあと「『ゲームシナリオ』として成り立っている小説だからこそ書ける物語だな」と思い直しました。
地に足のついた等身大の人間として魅力的なキャラクター達を主軸に、幾重もの伏線を張り巡らされた構成は見事の一言に尽きます。
小説というには地の文はほとんどありませんが、そのシンプルさがかえってキャラクターの動きに集中できていいのかもしれません。
キャラクターに完全に感情移入するも良し、伏線を読み解いて考察するも良し。
様々な楽しみ方ができる点でも、この物語は『ゲームシナリオ』だと言っても良いでしょう。
個人的には、ノベルゲームでプレイしてみたいですね……。