読書とは読後の余韻が醒めると、どこか物寂しくなるものだが……

読書を終えた後、あるいはその余韻が抜けきった後で、どこか物寂しい気持ちにさせられるところに共感を覚えました。
そして、そんな気持ちを抱えて夜の散歩に行き、自然に受けいれられていると感じるところにも。

虚しい時、苦しい時、寂しい時……そんな負の感情を抱え込んでいる時こそ、自然の美しさと容赦のなさは、人間がどれだけそれに依存して生きているのかを実感させてくれる、調味料のように効いてきます。

そんな自然は、時には人の心を裏返して、どこか晴れ晴れとした気持ちにさせてくれます。

それを美しい文体で書ききった本作は、純文学作品として良作と言ってよいと想います。
良い物語をありがとうございます。