前後のコンテクストがわずかに語られる、どこかの物語のワンシーンのような構成ですが、詩的かつ滴る様な耽美がゴシック系厨二心をくすぐり、得も言われぬ背徳感を演出しています。随所にしたためられたエロスは官能的でありながらも決して下品ではなく、まるで赤い月夜の中にいるような文学的な深みを醸しています。そのためこの手の文体にあまり触れてこなかった自分でも苦にならず読み切れました。特にビジュアル表現の鮮明さは圧巻の一言です。
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