歳の差カップル甘辛生活

14歳の少女が、28歳の色男と婚約させられるという倫理的にそりゃマズイ、でもシチュエーションは大好物(私情です)な状態からお話は始まります。
政略結婚的な舞台背景は、少女マンガの世界や、そもそも封建的な時代であればさほど珍しくもないのでしょうが、本作では、この主人公の少女がとにかくたくましい。
彼女の毒舌や信念や行動力によって、問題も発生するし解決もする。
もっとも、自分を知るからこその虚勢だったり、強がりだったりで、デレる時は極甘でデレる。
主役二人のイチャイチャは、爆ぜろ!と悪態も出ず、ニヤニヤ(・∀・)しっぱなしでした。
そして次第に集まる魅力的な仲間たち。

オススメは、ゆるふわのイルマと、「うわ、幼女強い」を体現するジゼル。
この辺りのかけ合いがとにかく面白い。

そして何より驚嘆するのが、固有名詞以外でカタカナや外来語を使っていない(見落としがあるかもしれません!)
服装、色、お菓子や料理の表現がすごく斬新に思えました。
最初こそ違和感を覚えましたが、それに気付いてからは、描写されるものを想起するのが楽しく、文字が果たす表現力の可能性をあらためて感じることができました。

綺麗な文字と豊富な知識。
そこに破天荒で個性的な人物達が加わり、社会問題なども含め、適度な戦闘もあり、甘辛だけど、やっぱり甘々な物語。

その読後感は、幸せでした。

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