全ラブコメファンに贈られるべき物語

漫画版から入って最新話(第3章途中)まで追いついたのでレビューを。

大勢のヒロインの中で最終的に1人しか幸せになれない運命でも、少年誌ラブコメが好きならそこまでの過程を楽しむものですが、それでも「どうせなら推しキャラを自分で幸せにできたら･･･」と誰もが思った事が一度はあるもの。この作品はその思いを実現する全ラブコメファンにとっての夢の物語です。

最近では異世界転生もので、乙女ゲーの悪役令嬢を自分で幸せにするといった設定の作品はありますが、この作品はありそうで無かったそのラブコメ漫画版と言えます。学園モノラブコメ漫画で超能力などのチート設定も無く、作品のストーリィを予めある程度知っている事だけが主人公の利点。最大の武器は何よりも「推しキャラへの尽きることのない愛」です。

その推しキャラは作中での『原作』であるラブコメ漫画での所謂負けヒロインで、友人のかわいい系美少女に対して長身クール系で、「かわいい」と褒められることに慣れておらず、事ある毎に愛情を込めて褒めまくる本作の主人公に照れながらも嬉しそうにするのが本当にカワイイ。そう、ヒロインの聖ちゃんは「ちょろイン」ですw クールな普段の姿と主人公の愛情ある台詞に照れまくるギャップのかわいさが最大の魅力でしょう。

最初の数話を読めば分かると思いますが、聖ちゃんは「ちょろイン」なので割とあっさり交際に至り、その後はイチャイチャ(聖ちゃん本人はそう思っていないのがまたカワイイ)しながら、原作漫画の登場キャラたちのフラグを気にしながら2人の仲を深めていくのかなという雰囲気。

漫画版は小説よりも多少シーンを絞って上手く構成しており、とにかく聖ちゃんがカワイイので、自分のようにコミック1巻を先に読んでから小説を読むと、漫画版に入っていないシーンでも聖ちゃんの照れ顔が容易に想像できてお得です。