権謀術策に彩られた亡国の皇女の復讐と贖罪の物語

基本的な設定は利用された悪役令嬢のやり直しリベンジもので、起こりうる未来を知っているのを利用して様々な策略を巡らせますが、その巡らせ方が文字通り数百手先を読む計算し尽くされたもので、作品に本格的で重厚な雰囲気を与えてくれています。
そもそもが数奇な生い立ちな上に2人の王子の王位争いとドロドロしそうな要素盛りだくさんにも関わらず、読んでいて気持がいいのは主人公が自分を騙した人々への「復讐」と同じくらい、自分が不幸にしてしまった人々への「贖罪」を重要視しているからでしょう。これこそがこの作品の最大の魅力であり、憎しみだけでなく罪悪感で深遠な謀略を巡らせる実に魅力的なキャラクターを生み出しています。
敵味方両陣営の魅力のあるキャラクターとの緊張感のある会話、物語の合間にあるちょっとしたトキメキ要素など読み出したら止まりません。先がとても気になる作品です。

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