甘くて、冷たくて、やがて溶けていくもの

 アイスクリームというコンセプトは、正解だ。

 人をアイスルという行為を未だ知らず、恋に恋し、幼く拙い少女の妄想を固めて凝縮するアイテムとして秀逸だ。

 妄想の先にあるアイドルという存在も良い。
 ふわふわとして、きれいで、それはどこかアイスクリームの象徴として重なる部分もあるのではないか。

 その想いは、甘くて。
 けれど現実は、冷たくて。
 このアイスクリームを溶かして無くなしてしまうものかもしれないけれど、少女の熱感情は、消えない。

 そんな物語に敬意を表して、評価も甘めで、良いのではないだろうか。