痛みに、傷みに、そして悼みに、決して負けない彼ら。

ウィザードリィやってなくても十分楽しませてくれます。
やってたら、ほんの少し、「なるほどね」とか「そうなるよね」って展開に微笑むくらいかなぁ?
なのでやってない方も是非読んでいただきたい。

初めて挑む迷宮で全滅したが自分だけが胡散臭い迷宮保険に入っていたために遺体を回収され蘇生されたエバ。
実は彼女たちパーティーは転移者であり、クラスメイトであった彼らを捨て置けず保険屋グレイ・アッシュロードに嘆願。
自らを売り、膨大な借金を抱えながらエバはグレイとともに再び迷宮へと潜る……

というのが第一部。
第二部も迷宮に潜りますが、第三部は迷宮と激突する、という話になるでしょうか。
特に第三部は一気呵成に物語の深淵まで突入するので、目見開き過ぎてドライアイ注意です。

ゲームをモチーフとしながら、そこに物語の骨子を丁寧に組み込んでいく技術。
そしてそれらを支える大樹のような文章力。
非常に繊細かつ緻密に計算された物語運びなのに、驚くほど頑丈で崩れない。

手に汗握る展開、キャラクターの一挙手一投足から目が離せません。

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