ルーリアと竜呪と蜂蜜

作者 珀尾

63

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★★★ Excellent!!!

昔大好きだった立派な装丁の児童文学に
収蔵されているような非常に上質なファンタジーです。

主人公ハーフエルフをめぐる愛しき人間模様
竜呪をめぐる複雑な抗争
蜂蜜をめぐる数々の料理……

タイトルの三要素が余すことなく描かれ
かといって複雑になることなく、
分かりやすく面白く、可愛らしく紡ぎだされています。

火蜥蜴(サラマンダー)、猫妖精(ケット・シー)、妖精の国・サンキシュなど
ファンタジーに欠かせない登場人物や国の名前も
みな美しく素敵です。

★★★ Excellent!!!

優しい物語でした。それは今も変わらず、優しく有り続ける。

教わるまで、木の実を焼いて食べることすら知らなかった女の子が、
こうして数々のスイーツに出会い、やがてそれを作る側へとシフトするのですから驚きです。
え、木の実生で齧って「苦っ……」って思ってたコですよ!?

優しい人たちがたくさんいて、そうでも無いひとたちももっとたくさんいますが、
それでもルーリアの周囲には優しい人たちが溢れている。
優しい、というのは、甘やかしてくれる、のではなく、
その人のためなら、時には厳しく叱ってもくれる、という意味。

この物語が木漏れ日に塗れた安らぎの風景のように滲んでいるのは、
きっとそんな人たちに囲まれて過ごす彼女の笑顔が、とても眩しいからでしょう。

タルト。シュークリーム。本当にいろんなスイーツが登場し、
その突拍子の無さに面食らって、そしてお腹も空いてしまう、なんとも飯テロな物語だこと。
途中から飯テロ率、かなり増えますのでお気をつけて。

そして私がどハマリしたのは、「弓」が登場してから。49話でしたね。
たくさんの個性豊かなキャラクターひしめく今作品の中でも異彩を放つ「弓」。
その常識を弁えた非常識な存在が、ずっと私のハートを鷲掴んで離してくれません。

雑多に書いてしまいましたが、この物語は面白いという言葉以上に、
やわらかく、優しく、そして眩しくて、温かい。
もしまだお読みで無いのなら、ぜひ読んでくださいな。

★★★ Excellent!!!

しっかりした世界観に基づいた物語です。

どんな傷や病気でも治す魔法の蜂蜜屋を営むガインとルーリアの二人。
ここにはごく限られた人しか訪れなくて。

ルーリアは普通の人が知っている事を何も知らない。
そして実はここに閉じ込められていて。

そんなところから物語は始まっていきます。

最初は独特の世界観は示されつつも、まずはルーリアの置かれた環境とちょっとした出会いのお話から始まっていきますが、次第になぜ彼女が閉じ込められているのか、そしてタイトルにもある竜呪とは何なのか。少しずつ謎が明かされていきます。

その課程が本当に濃厚で、素敵な物語です。

そしてなんと言っても、ルーリアちゃんが可愛い。
彼女はハーフエルフという事もあり、見た目よりも実際には年上なのですが、年相応に、いや幽閉されているため年相応以上にものを知らなかったり、でもちょっとそこにもの思うことがあったり。

そして少しだけ外の世界を知って、興味を持ち始めて。
そんな流れが、本当に面白く、そして可愛いです。

まだ二章までしか読めていませんが、最初から物語に引きこまれてしまいました。
これからも先は長く、どんな物語が紡がれていくのか。本当に楽しみです。

本当に良質なファンタジーです。
ぜひ皆さんも読んでみてください!