概要
みんな確率論の都合の良い一面しか論じない。
「第三回こむら川小説大賞」参加作品です。飛行機で、隣に不審な乗客と乗り合わせたサラリーマンの話です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!語り口そのものに魅力のある、正統派かつ王道の怪談
飛行機の苦手な男性が、実際に搭乗した旅客機の中、すぐ隣に不審な客と乗り合わせてしまうお話。
怪談です。いや小説作品ですので「ホラー小説」と言ってもいいのですけれど、でも個人的には「これぞ怪談!」と叫びたい作品。もう本当に語り口が魅力的で、溜めや引っ張りの塩梅も絶妙で、無限にずっと読んでいたい気分にさせてくれます。先が気になって仕方がないのに、その答えを知るのが本当に怖い! ただ物語の展開として恐怖を提示するだけでなく、それが恐怖をいや増す技巧に満ちた「語り」によってなされていること。これを怪談と言わずして一体なにが怪談なのかと、心の底からそう思わせてくれる物語でした。感動。
いやこれ、…続きを読む