もし、SCP財団で「清掃員」になったら? 悩める青年の怪異オムニバス!

様々な怪異存在を管理するという、SCPじみた謎の団体に、末端の「清掃員」として雇われた主人公。
鬱とADHDに苦しみ、小説を書いてもパッとしない悩める三十路……という小菅くんの設定は、我が身につまされるところがあります。母親とのやり取りとか、カサンドラさんの叱責とか辛い描写も挟まりますね。

出現する怪異などだいたいのあらすじはキャプションにすべて書かれている親切設計にもびっくり。
【星の村】や浴衣の少女は何だったかなど、残された謎も多く、まだまだ続きが書けそうな内容です。

作中の怪異で一番嫌なのは「教会」ですね。指示に従わないと即死なのに、そこで業務上の取り引きをしないといけないとは……。「劇場」の名前を知られたらアウトも、殺意が高くて好きです。
ボーナスがちょいちょい出たり、福利厚生がしっかりしているようで、かなり命がけなのも恐ろしい。楽しく読ませていただきました。