18話まで読みました。
デパート・愛媛・占い等への作者さんの好きだろうものをめいっぱい詰め込んだ気持ちよさを感じる作品です。
同時に、強い狂気も感じます。
狂人の書き方が上手い。幸いにもあまり身近にいないタイプのぶっとんだ狂人達ですが、描写がじっとり詳しく、表情や存在感を否が応にも感じさせて生々しく感じさせてしまいます。
愛と狂気の狭間で想像を絶するストーリーが展開されていて、引き込まれます。
言質をとろうとしてるかのような文体が更に不安感を煽り、この先どうなってしまうのか、プロローグの惨劇にどう繋がってしまうのか恐ろしいながらも目が離せません。
震えながら怖がりながら、続きを楽しみにしております。
日常を、ちょっとした狂気が侵食していくように感じる物語です。
ひとつひとつは本当にちょっとした事で、名誉に関する事、プライドに関する事など、デフォルメされているとはいえ、実社会でもあるように思わされるものでした。
放課後の描き方が上手く、地の文、会話文から感じられる雰囲気に、夕方の空気が感じられ、それが物語の展開と共に夕闇が迫ってくるような印象になる事も、秀逸な文章が書けている事の証拠のように思えます。
所々、抜け落ちているのではないかと感じる、意図しているところは何かと思わされる点もありますが、その点にこそ、深読みする魅力があり、私を物語に引き込んでくれました。
現在、レビューしている時点では7話までしかありませんが、今後も追っていきたい物語です。