SFを借りて描かれる令和の感情

現代、現在のSFとして突拍子もない設定から始まるストーリー。だがその内容はスペクタクルでもなければ感動的でもない。では面白くないのか、というと違う。常識ではあり得ない状況で「日常」を構築し送る主人公。その語りの諦めも含んだかのような冷静さの中に惹き付けるものがある。なぜか考えてみた。共感が理由ではないか。現実の今を生きる私達の心に、この主人公の思いが重なるような気がする。不思議な感じ、少し悲しい雰囲気、直接、確かめてみるのは如何でしょう。