第2話これは俺だけの冒険記である。

(何年後かのある日)


………


という冒険記を、俺は聞かされた。

『冒険記だってー、まじウケるwww』

『先生の父親って中二病?』

初めてのおつかいで俺は隣町まで行ってしまい、町内放送で行方を探された。

『町w内w放w送www』

一時期、保健室登校してた。

いじめはする方じゃなく、される方だった。

少しリスカもした。

両親はすごくいい人間だと思う。それが俺にとってのプレッシャーにもなってた。

ぶっちゃけ、苦しかった。

『え、マジ話?』

『大丈夫か?先生』

引きこもってネトゲばかりしてた時期もあった。

「伝説の迷子冒険者」っていうユーザー、知ってるやついるかもしれん。

『あ、オレ知ってる』

『あの伝説と言われた伝説の…?』

第三希望の大学に入って、教師になんとかなれて、今俺はここにいる。

ろくな冒険(人生)を通ってきた気はしない。


それでも。

それでも、俺は冒険者だ。

自分で選んで自分で歩いてきた冒険者だ。

俺だけの冒険記を自分の手で描いてきた。


この春入学してきた新入生たちよ。

まだまだ若く幼い冒険者たちよ。

いつでも「冒険者日和」だと言ってたくさんのことをするといい。

この先輩冒険者(先生)が話をいくらでも聞いてやる。むしろ、たくさん聞かせてくれ。


くじけても、失敗しても、闇落ち間際までいってもいいんだ。ただ、闇落ちはするな。

俺たち冒険者は100%成功した勝ち組の「英雄勇者」集団なんかじゃないんだから。


話は長くなったな。では、改めて。


「本日、冒険者日和なり。

心から、君たち次世代冒険者と出会えて嬉しく思う。

さあ、君たちはどんな冒険を先輩に聞かせてくれるのかな?」

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本日、冒険者日和なり! 犬屋小烏本部 @inuya

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