とある帝国で暮らす、少しだけ行動力の低い青年の戦いを描いたファンタジー作品です。ある日彼の暮らす帝国は隣国の侵略に見舞われます。敵の数は自国の全兵力とどう程度、職業軍人だけで守りきれる筈もなく、国は徴兵に走ります。もちろん青年も例外なく徴兵され、短い期間を経て戦場に連れ出されます。そして、そこに現れたのは地獄絵図。人とは程遠いバケモノが、片手間に人間を屠る様。その光景を目にした時、青年は無意識の内にとある言葉を唱えだして…青年の今と過去が混ざり合う、盛大なファンタジー作品です。ぜひ読んでみてください。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(122文字)
一章にあたる九話までを読みました。求職からの徴兵、戦争に翻弄されるシグルと、ロキやジャンヌ達との友情、自身の秘密─主人公と世界の運命を読む壮大な物語である事が伺えます。テンポの良さと、窮地を挟んだ緩急の付け方は、掃いて捨てる程あるご都合主義のファンタジーとは一線を画していると言えるでしょう。気に入ったキャラクターは、若いながらもしっかりとしたシャルル陛下です。
この物語の良い部分を数えたらキリがありません!とにかくテンポが良いです。帝国の情勢の説明も分かりやすい。しっかりハードな文体なのに、まるでアニメを見ているようです。シリアスなシーンがあっても、必ず何処かでクスリと笑わせてくれるので、読んでいて楽!「そうだよ、これが娯楽だよ」と思いました。そうそう。帯に「無職の俺が……」とあったので、主人公はヘタレなのかな、と思っていましたが、良い意味で裏切られました笑色んな意味で強い物語です。
丁寧に仕立てられた世界観。主人公がその世界を駆け巡る話。しっかりしているため、世界がブレることがないのは読んでいて安心する。何度か添削したと思える出来。作者が創造した世界は、当然、エクセレント
重厚なストーリーでありながら読みやすく仕上げられていると思いました。帝国や軍の一員として重圧がかかる主人公の心情がよくわかるように、ストーリーの順序立ても表現方法も上手だと感じました。帝国の法令や立場、階級などにも描写が凝っており、自分もオリジナル戦記を描くうえで参考にしたいと思いました。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(144文字)
まだようやく半分ほど読んだ所ですが、胸熱漫画風小説でした!最初はモブっぽかった主人公が面白カッコ良く隠された力に開眼して奮闘します。相棒達もいいやつですし、武闘派ヒロインも良いです。男の娘も出てきます。主人公もいいですが、仲間達の方が魅力的かもしれません。文章も戦記ものっぽく書かれてますが、戦記物が苦手の人でも食わず嫌いせずに是非読んでみてして欲しい読んで良かったーー!! めっちゃおもろいやーーん!! これからの展開が楽しみです!
濃厚な戦記物であることがひしひしと伝わってくる!軍関係者たちも主人公を上げ下げするための舞台装置ではなく、それぞれがキャラクターを、人生を持っているという印象を受けます。さらに主人公には隠された過去、秘められた力があるようで、そういった要素が程よくファンタジー色を醸し出し、初心者でも手を出しやすい作品になっていますね。戦争の重苦しさも存分に感じられ、硬派な作品が好きな人にもオススメできます。
本作、無職の青年がいきなり戦争で徴兵されて、戦場に送り込まれるという話からスタートするんですけど、送り込む側、つまり為政者が立派です。主人公の祖国を治める皇帝が、これから戦地に赴くであろう兵士たちを前にして演説するのですが、このシーンが熱い。為政者側というと、人の痛みが分からないクズ人間という描き方がされがちな昨今。本当に人の上に立ち、人の人生を左右する重大な決断をする立場の人間は本来どうあるべきか?それを地でいってる感じで、好感度大です。そういう「熱い為政者」を見たいのであれば、お勧めします。
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