第5話  ヒロイン

貴方は何か憧れて居るものはありますか?


これは幼い頃からアニメや漫画のヒロインに憧れた少女のお話








貴方はヒロインと聞いて何を思い浮かべますか?

私は可愛くてみんなに愛されて

それでいて人を傷つけることが無い人だと思うの


そう、私はそんなヒロインに憧れました


お姫様は女の子の夢


でもね…




「しーちゃんさぁ」

「ん?」

「なんかずっとさ、悲劇のヒロインぶってるよね」


その一言が私の保っていた心を壊したの


ずっとずっと

私は誰かのためのコマでいることにしたの

そしたら、また言われたの



悲劇のヒロインって


どこをどう見たらそうなるのかも何もわからなくて


私は自分を出すのが怖くなった


お願い、お願いだから私を見ないで



そんな私も本気で好きと言える人ができたの



両思いで幸せだったなぁ


でもね


彼を好きな女の子に言われたわ


「しおりちゃんって悲劇のヒロインよね?」

「え…?」

「私から彼を奪わないでよ!」



私は悩んだわ

ずっとずっと


でもね彼は私を抱きしめていってくれたの



「俺が守るから」



嬉しかった嬉しかったの


初めてだったから


私は守るより守られたかった

甘えたかった泣きたかった


でも、それをしたら悲劇のヒロインといわれる


何もできない




だから私は自分を壊したわ


似たりよったりの話?

今までの話も同じような話??


そりゃそうよ

だってひとつづきだもの


私は僕であって僕は私で

全部私


どんな私が好みかしら


仮面?じさつみすい?

それとも…ヒロインに憧れた小さな少女?



これにて壊れたバケモノのお話は閉幕にございます



次からはどんな子のお話なのでしょうか?

ごゆるりとお待ちくださいませ




え?彼女がどうなったか、ですか?


それは皆様の知るべきところではございません


ただ一つ言うのならば



幸せだと笑うでしょう



それでは次回の開幕までおやすみなさいませ

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桜月翠恋の少女残酷短編集 桜月 翠恋 @Sakurasuiren

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