生み出されるはずのない愛は存在した

大正ロマンをベースに機械召使い(オートマタ)との恋愛を描くこの作品。
自然や鳥といった聞こえないはずの声が聞こえる、双翼のオートマタ。
不遇の身であるヒロインと誰よりも優しいオートマタとの心のつながりと、機械でありながら徐々に変化をとげていく心理描写は実に見事。そして文面がとても美しい作品です。

また生身である人間と人間のような機械人間の心の置き所の境目の描き方は、切なくも悲しく読者の心を揺さぶっていく。

その心の温度差とジレ感に心揺さぶられながら、ヒロインを取り巻く人々とオートマタとの間で揺れ動く切なくも美しい時間が流れるこの作品。

ぜひ皆様にもこの作品とそんな時間を共にして頂きたいと思います。
本当にオススメの作品です。

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