最初は小さな村の小競り合い、そして平民と貴族の軋轢、国家間の陰謀、そして世界とは何かを問うところまで……と、インフレが心地よい作品です。
いじめや辛辣な言葉も結構飛び交うので、読むのにストレスかと思いきや、アリスのパワフルぶりがすさまじく、敵という敵を1話そこそこでねじ伏せていく痛快さです。終盤に向けて唐突な「なります!」→え、もうなっちゃったの? と驚く場面があります(場面転換が空行1つでしれっと起きるので、行間の多いWeb小説に慣れているとちょっと戸惑うところもあります)。
その後の展開で「まさか」と思わせた直後「そうきたか」と思わせる二重のどんでん返しも必読。内容自体はハードなお話ですが、「ページを繰る手が止まらない」という作品に初めて出会えました.
まず最初に言いたいことは、「最後まで読んでください」ということです。
この物語は、幼い姉妹が成長しながら理想郷を追い求めるお話です。
理想郷といっても、それぞれ真逆と言ってもいいほどに方向が違う理想郷を追い求めます。
どちらが正しいのか、どちらが間違っているのか。その答えは出ることはないかもしれませんが、死に物狂いで理想郷を追い求めた者にしかたどり着けない答えは確かにあると思います。
ラストシーンでは世界の謎が明かされます。しかしその謎がどうであれ、理想郷を追い求めた二人はそれを糧に進んでいくのだろうと、そう確信させてくれる結末となっています。
この物語は身寄りのない姉弟の成長物語であり、2人のロードノベルである。
……であるのだが、それだけでは納まらない。
というのも、この2人が辿る道には「世界とは何か?」という問いかけが常について回るからだ。
かたや、最高の道。世界……とまで行かずとも、多くの人を導き動かす地位を得る。
かたや、最低の道。世界の闇、底を見る。
光と影のように表裏一体であり、真逆の場所に辿り着いた2人が最終的に見たものは……。
終始世界のあり方を読者に問いかけるような2人の物語は、この現実の世界の物語でもあるようで考えさせられることも多い。
その答えは最終的に「ユートピアはどこに」というタイトルに集約される。
1話1話が読みやすく没入感もあるため、オススメの作品です!
この作品はどういう話なの、と訊かれると、一言で答えるのは難しい。
少年少女の冒険もの、学園もの、とも言えるし、かと言えば戦争ものであったり、裏社会、サスペンス感、さらにはSF的な要素まであったりする。今まで読んだことのない、独特の味わいと雰囲気の作品。
多くない文字数の一話一話で多くの情報と展開が披露されていて、テンポの良さと重厚さを併せ持ち、飽きを感じずに読み進められる。
驚きの展開が多くあり、物語がどう進んでいくのかまったく読めないながらも、ところどころの場面で物語が何かしらの目的を持って進んでいることも示されていて、レールに沿って走っている安心感もある。
佳境に向かうにつれ、物語は迫力を増していく。
アリスとマルスという姉弟、そしてエルヴィンという謎多き人物。
崩れゆく世界で、理想郷を追い求める。
しっかりと小説を読んだ愉悦に浸りたい人に、おすすめの作品。
ご縁がありこの物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
とある御伽話が語られ、そして少年と少女の二人が貧しい村で畑を耕しているところから始まる物語。そんな生活が当たり前になりつつあったある日、少女は夢を見ます。まるで何かを暗示させるような夢を見たあと、ある事件がきっかけで彼らは真実を知り、それぞれの旅に出ることになります。
作中では出来事やキャラクター達の言葉、そしてやり取りから、多くのことを投げかけられます。キャッチコピーにもありますが、大切なのは考えること。そして一面的ではなく、様々な視点から物事を見ることであると思います。あれは悪いことかもしれないが、実はそれだけではない。簡単に口には出せるけど、それって結局はなんなのか。
考えることの大切さ、そしてその難しさを随所で感じました。
二人の視点で物語は進んでいき、現在までの更新分では少女の方で驚きの展開が待っております。続きはもちろん本編で。
良いテンポで進んでいくストーリーを楽しみつつ、たまにちょっと立ち止まって考えてみるこの物語。
他の皆様も是非読んでみてください。
かつて神に祝福された土地で人々は何不自由のない暮らしをしていた。
ある日現れた男が尋ねる。なぜ服を着ていない? なぜ家に住んでいない? なぜ水しか飲まない? なぜ、なぜ……
疑問が生じ答えを出したとき人々は目覚ましい発展を遂げる。
だがこれは破滅の始まりだった……。
ときの流れた大地にアリスとマルスの姉弟は生きている。彼女たちが己の出生について知ったとき学びの道が開く。
この2人が見ていく世界はどんな色を見せてくれるのか? 今見ているものが本当に真実なのか? ユートピア、人の幸福とはなんなのか? 沢山のことを投げ掛けてくる作品です。
この問いに答えを出すためにも一度読んでみませんか?
アリスは本を読んでいます。
かつて両親が見たであろう外国の御話です。
読んでいる時間は現実を忘れ、理想郷を夢見ることができたでしょうか。
アリスと、ふたつ年下の弟マルスは、畑を耕すことが日課の少年少女。
両親を流行り病で亡くして、長老に引き取られて暮らしています。
知識を求めて学校に通いたいと願っていますが、貧しい村に住んでいるため、叶いません。
或る日、貧しいと思われていたアリスたちに思わぬ財産が残されていたことが分かり、アリスは「学園都市」で学ぶことになるのですが……。
キャッチコピーの示すとおり「考えることの大切さ」を投げ掛ける物語です。
連載中の物語。提示されるユートピアの形が知りたくなる序章です。