それは、神話ではなく、人の手で築かれる城の物語――

めでたしめでたし――

私たちはそんな結びの言葉とともに、何度となくお伽噺を耳にしてきました
たとえば幼いころ寝物語に。
たとえば心がくすんだとき、勇気をもらうために。

この小説は、そんなお伽噺と同じ物語です。

神々が全てを決定するのではなく、ひとが命と魂を燃やして、全身全霊で生き抜いて、その先にある輝く尊いなにかを勝ち取る物語です。

――奇跡。

あるいは、そう呼べるものを。

――希望。

もしくは、燦然とした、だけれど泥臭く、生きることに直結するものを。

とかく私が言いたいのは、


――めでたしめでたし


攻城大陸は、きっとそんな結びの言葉がふさわしい、素敵な物語であると、そういうことです。

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