とある地方都市にある市立の音楽ホール。
主人公の市役所職員・熊谷蒼がそこに配属されたところから始まる朝ドラ風ヒューマン・ドラマ。
いや、この主人公、近年まれに見るめっちゃ良い人。ザ・新人、って感じ。
ちょっと素直すぎて、騙されやしないかと不安になるくらい。
だって周辺の人々が、誰もかれも、なかなか癖のある様子。
担当課長の水野谷、課長補佐の氏家、主任の高田、副主任の星野。
食いしん坊の尾形、教育係の先輩・吉田。
しかも、皆、本庁から流されてきて、盆栽に新聞、タバコ、お菓子、スマホと、どこか昼行灯で、流刑地というよりは、全員窓際族って感じで楽しそう。
仕事は手を動かす系で、音楽ホールの運営まわりの細々した雑務中心。これがなんともリアリティあって、よかったです。
この先どうなっちゃうんでしょうかね?
(第1章11話まで読んだ感想です)
主人公の蒼は流刑地とささやかれる、音楽ホールに配属された。
そこには、個性あふれる男性職員ばかりで……
音楽の知識ゼロの蒼はとまどうばかり。
もう、毎日がブルー。そんな日常が、季節の移ろいとともに少しづつ変化していきます。
様々な人との出会い、職員たちとの一筋縄ではいかないおつきあい。
そして最大の出会いは、ドイツ帰りのヴァイオリニスト関口蛍。
彼と、お互いの背中を少しづつ押しながら、前進していきます。その姿が親友以上の感情を含んでいそうで、含んでなさそうで……微妙な心情をモダモダしながら読み進めたら……
最後、流刑地だった音楽ホールに立ち、蒼がみた風景をみなさんもいっしょに体感してください。
きっと、ブルーな風ではなく音楽の調べを含んだ、豊穣な風が心の中を吹き抜けることでしょう。
流刑地と呼ばれる星音堂へ配属された新入社員、熊谷蒼。
市役所に就職したはずが、外れの音楽ホールでの勤務になってしまった。ここはもう本庁には戻れない流刑地だという。
がっかりする蒼だったが、でも、その職場、私からみればとっても素敵な職場なんです。
一癖も二癖もある職員がいて、なんやかんやと事件が。
それぞれが、それぞれの人生を抱えており、笑ったり悩んだりという市井の生活が丁寧に描写されています。
星音堂に慣れてきた頃、音楽家への道を閉ざした関口といういけ好かない男との関係が変化、ふたりはお互い最高の理解者へと発展していきます。
続きは本文でお読みください。