第6話近くて遠くてすごく近い

伯父さんの息子のあいつは、その後議員となった。地元の自然を残した住みやすい町を造ろうとしてる。

それをよく思わない奴がいるのも事実で、危険な目にあうこともあるそうだ。そういうときは、こっちもちからわざで応戦する。


地元の天然記念物「カッパ」はこっちの味方だ。


あるかも分からない「竜宮城」よりも、今では俺たちと彼らカッパの距離はかなり近くて。

それでも辛うじてエンカウント(遭遇)しない絶妙な距離。


これが俺たちが望んだ「お伽噺」との距離だ。






今日も川岸にはでっかい甲羅が干されている。







何かが沈む水音が、確かに俺の耳に聞こえた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

甲羅干し 犬屋小烏本部 @inuya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ