概要
今日はちょっと、親殺しのパラドックスを起こしてみようと思う。
科学の天才『航時』は、お幼馴染の『真美恵』と共に発明したタイムマシンの実験として二十年前の過去に行く。航時は二十年前の世界で、母に結婚の約束を申し込む前の父親を殺してしまう。それによって航時は「メビウスの輪の様にねじれて閉じた時空間の、死と生が重なりあったシュレディンガーの猫の如き存在」と化してしまう。このままではこの閉じた時空間はエントロピーが急速に増大して滅んでしまう。事態の解決を航時に託された真美恵は、タイムマシンで父殺しが行われる寸前に跳び、航時の父親にトリックを仕掛けて彼が一時だけ死んだ様に見せかける。それによって事実の矛盾をほぐし、タイムパラドックスを無効にする事に成功する。真美恵の頭のよさに感心した航時は、正式な恋人として真美恵に交際を申し込む。
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