とても細やかに描かれる心情描写が魅力!
- ★★★ Excellent!!!
呪われて鴉になってしまい、何処かへ消えてしまった兄たちを探す旅に出るところから始まる物語。
主人公ロディーヌと、旅先で出会った他国の将軍オワインとの恋の物語でもあります。
…とはいいつつあらすじにある通り、呪い・疫病・自然災害など、立ち塞がる様々な壁に苦慮し立ち向かう姿も。なかでも疫病は、現在コロナウイルスで苦しむ私達の状況とも重なり、共感する部分でもあります。
遥か昔のおとぎ話や両親の若かりし頃の話なども語られますが、「ここまでいるの!?」というくらいじっくりと細やかに描かれていて、様々な物語を一度に読んだようなお得な気分も味わえます。
そして、それらのエピソードは最後までしっかりと効いてくるのです。
苦難を前に協力しあうシーン、人々や聖獣との交流などの心情が細かく描写されていてとてもわかりやすい。
登場人物はみんな素直な美しい心の持ち主で、読んでいるとと癒やされるような気持ちになって入り込んでしまいます。
特にヒロインたちが惹かれ合うシーンは必見!あまりに情熱的で目が離せなくなること必至です。
その時は別れを選ばざるをえない彼らですが、どのように再び出会っていくのか。ぜひ読んでみて欲しい作品です。