読み終えて感じた余韻は盛夏に樹々をそよがせる風のように心を吹き抜ける

蝉頭のアクセサリー職人を先生と呼ぶ、弟子の女性が主人公です。
一緒に仕事をするのは1年のうち、わずか七日間のみ。
主人公が先生に寄せる想いは抑えたもので、まず一番に感じたのは尊敬の念でした。
尊敬しているがゆえに、そして一緒に過ごす七日間を大切にしているがゆえに詰められない距離。

小さなアクセサリーの描写や、それを形作ってゆく過程が細やかで、そこに主人公の想いが込められているように感じました。

是非、読んでみて下さい。
そして盛夏に樹々をそよがせる風のような余韻を、あなたも感じてみてください。
そうすれば、このお話しは、あなたの大切な物語りの一つになると思います。

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