ご縁があり、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
本作は新婚生活が始まったとある夫婦の夫が、「将棋道場に行きたいんだけど」とにいづまに切り出したところから物語が始まります。甘々な新婚生活を望んでいたにいづまでしたが、夫はどんどんと将棋にのめり込んでいってしまい……気が付くと彼女は一人ぼっちになっていました。そこで彼女が考えたのは「もしかして自分が将棋を始めればよいのではないか?」というもの。夫にもう一度振り向いてもらう為にと、彼女は将棋を始めるのでした。
この物語の魅力はもちろん将棋の対局にありますが、そこで展開される人間模様こそが真髄です。対局を通して互いの人生に触れ、嘆き合い、感情をぶつけ合い、認めていく。駒を動かすだけのゲームと侮ることなかれ。その中に詰まっている生き様、性格、そして人生。将棋を通して互いを理解し合っていくその様は、さながら王道の少年漫画のようにも思えました。対局中の演出も熱いものが多いので、私も気が付いたら読み進めてしまっておりました。
そしてその後に展開される、にいづまと夫のイチャイチャパラダイス。二人の甘いやり取りは、将棋という激闘を制した後のデザートのようなご褒美。張りつめていた空気が一気にストロベリーとなり、思わずほっこりしてしまいますよ。しゅーくんマジイケメン。
将棋を通して語られる、熱い人間ドラマの物語。他の皆さんも是非読んでみてくださいッ!
こちらの作品は、将棋を通して描かれる人間ドラマが魅力の作品です。
園部夫婦は誰から見てもラブラブな睦まじい夫婦なのですが、ある日夫の修司が将棋道場に通い始め、香織のことを見てくれなってしまいます。「将棋」というゲームに負けてしまったと落ち込む香織ですが、逆に自分が将棋を学べば夫の愛を取り戻せるのでは!?と自身も将棋道場に通うことに。
将棋がメインテーマとなっておりますが、将棋のルールがわからなくても大丈夫。盤面での熱い戦いはもちろんのこと、その戦いに賭ける思いや人物同士のやり取りが丁寧に描かれており、将棋小説と言うより、将棋を通した人間ドラマと言う印象の作品です。
夫婦、兄弟、親子。それぞれ大切な人の為を思って臨む熱い戦い。テンポの良い文章と、将棋の大会というハラハラドキドキさせるストーリーラインがそれを魅力的に引き立てています。
見所は主人公の香織の心情描写。彼の力になりたいと思うその気持ちが香織をどんどん強くしていきます。修司さん大好き!が全面に出ているところがなんとも可愛らしく、時折挟まれる夫婦のラブラブなやり取りは見ていてついニヤニヤしてしまいます。
大事な人を思いながら読んでほしい、そんな素敵な作品です。
『にいづましょうぎ』は「将棋」と「夫婦の仲」を修復するという、斬新なニッチを掴んだ面白い良作。すぐさま物語にのめり込んでしまい、さっと四章の終わりまで読了した。
この作品の最大の魅力はワイワイとした楽しい登場人物たち。主人公の香織と夫の修司はラブラブで、それだけでも読む価値があるのだが、二人を取り巻く将棋仲間も面白い。初心者と握手するチャンスなんてもう二度とないだろうから手を洗わないと言う毒舌家から、対戦相手がまともな将棋を指せなくなるほど魅了する適役。個性的な人物が続々と登場する。
文章も軽くとても読みやすい。初心者の一人称のお陰で、将棋を知らない僕でも簡単に読み進めることができた。だから将棋ファンからルールをちょっと知っている人まで万人にお勧めできる作品だと思う。作中に局面の挿絵を入れて解説してくれるので、その点でも読者に優しく、作者さんの将棋に対しての愛を感じる。