エピローグ
「信じられません。信じられないことです!」
興奮して唾を飛ばしながら、アナウンサーが何度も繰り返す。
「飛来したミサイルは、物理法則を全く無視した角度で曲がり、無人の山中に着弾しました。しかも……不発だったのです! こんなことがあり得るのでしょうか! こんな奇跡が……」
スクランブル交差点の端っこで、D川は放心したままニュース画面を見つめていた。
地上の混乱などつゆ知らず、夏はなおもD川の首筋を黒く焼け焦がしていく。E田が心臓発作で自宅の庭に倒れていたと訃報があったのは、翌日のことだった。
<了>
ノーサイド・サマーヒーロー 深見萩緒 @miscanthus_nogi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます