早くも今後の影響などに執心な無被害の人々と、あと5分という差し迫った有限という対比によって、十人十色な本心・本性が露呈される。これは何も原子爆弾に限っての話ではない。それ故に、非現実的でありつつも絵空事になっておらず、読み手のそれぞれに訴えかける。ラストも物語的に作り込まれており、ともすれば説教にもなりかねない最期の反省などを上手くまとめている。