何通りもの解釈が可能な心理ホラー短編です。読後感は、おそらく十人十色。

主人公はいじめに悩む中学生の女の子。
人間の心の原動力が、復讐の果実を爆ぜさせるような心象です。
性根の曲がった人間が真っ直ぐに生まれ変わる木の実。
実の成る樹を守る老婆が少女に打ち明ける秘密。

正当な防衛本能で開かせた実を腐らせないように管理できる強さを、主人公の少女は持っているのかもしれません。木の実の生命力と少女の生命力が伝わる一編です。
読み手によって感想が様々に分かれるように思われます。
多義的な解釈が可能な短編。ぜひ、ご一読下さい。

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