第91話:大陸制覇

 俺は孤児達に色々な事を教えながら力を蓄えた。

 大魔境で古竜と純血竜を捕らえて養殖した。

 古竜と純血竜を各地で集めた食糧で育てた。

 殺さない程度の魔核と素材を切り取り取って魔剣や魔鎧にした。

 魔剣と魔鎧はオーク族とコボルト族に貸し与えた。


 大魔境のオーク族とコボルト族には新たな大集落を築いて与えた。

 非常時に逃げ込める地下都市の上に、日光浴のできる大集落を築いた。

 周囲は俺の六つ子を自称する五人が交代で護っている。

 今では従兄弟や又従兄弟まで、数多くの古代竜級ドッペルゲンガーがいて、数多くの補充用圧縮強化魔宝石がいる。


 古代竜級ドッペルゲンガーが百体、補充用圧縮強化魔宝石が四百セットもある。

 まだ手を付けていない魔宝石と魔晶石もある。

 古竜素材と純血竜素材も沢山ストックがある。

 時間さえあれば、もっと多くの古代竜級ドッペルゲンガーと補充用圧縮強化魔宝石を創り出せるのだが、手間がかかってしまう。


 古代竜級ドッペルゲンガーの数が増えるほど集められる素材と魔核が増える。

 どんどん魔法袋に増えていく素材と時間と創り出せる戦力を考えれば、そろそろ亜龍級のドッペルゲンガーと補充用圧縮強化魔宝石を創り出した方がいい。

 素材的な防御力は低いが、それは魔力で補う事が可能だ。

 問題はそこまでする必要があるかどうかだ。


「あなた、どうやら子供ができたようなの。

 身勝手なようだけど、ずっと側にいてね。

 危険な事はしないでね」


 ミュンから受ける反応で妊娠している事は分かっていた。

 だがミュンから言ってくれるのを一日千秋の思いで待っていた。

 俺の子を産んでくれると信じていたが、こんな世界だ。

 産むのを躊躇うかもしれないという疑念があった。

 

「オンギャア、オンギャア、オンギャア」


 無事に子供が生まれて本当の覚悟が定まったのだと思う。

 身勝手なようだが親代わりになっている孤児達とは違う。

 絶対に何があっても護らなければいけないという気持ちが沸き起こったのだ。

 この世界の神が襲いかかって来ても勝てるだけの力を蓄える。

 自分が最前線の立たなくてもいいだけの力をつけるのだ。


 まずは躊躇っていた亜龍級のドッペルゲンガーを創り出す。

 亜龍級のドッペルゲンガー百体が完成したら属性龍級。

 属性龍級が百体が完成したら純潔龍級。

 純潔龍級が百体が完成したら古龍級。

 純潔龍級が百体が完成したら古代龍級。


 実際にそれだけの龍がいるかどうかわからないし、そのような分類になっているかも分からないが、そんな事はどうでもいい。

 神との戦いを想定して、自分が最前線に出なくても神に勝てる戦力を蓄える。

 それと同時に神に勝てないと判断した時の逃げ道も確保しておく。


 この世界を多元宇宙の一つと仮定して、他の宇宙、異世界に逃げるための道を探して確保するのだ。

 ミュンとアーサーを護るためならどんな卑怯な手でも使う。

 ただ二人には絶対にバレないようにだ。

 まずはこの大陸を統一してできるだけ多くの素材を確保するぞ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。 克全 @dokatu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ