呪われた宿命を背負う彼に、救いはあるのか

呪われた大樹により発せられる、瘴気に蝕まれた世界。瘴気を取り込んでしまった人間は、記憶と理性を失い暴れまわり、治す手立てはありませんでした。
できることといえば、被害を広げないため、瘴気を取り込んでしまった者を、人知れず処分すること。本作の主要人物の一人であるレイヴンの家は、先祖代々その役目を背負ってきていて、彼もまたその後を継いでいました。

しかし、やっていることは人殺し。
これしか方法はない。先祖も皆、同じことをやってきた。どんなに理由を並べても、その行いは彼自身の心を蝕んでいきます。

そんな折、彼に下った命令は、瘴気を生み出す呪大樹を抑えることのできる聖水を手にするため、王族の護衛を勤めること。しかしその王族というのは、市政で暮らし、自分が今の今まで王族ということも知らずに育った一人の少女でした。

ずっと望まぬ宿命を背負わされ続けてきた男と、突然大きな宿命を背負うことになってしまった少女。
この出会いは、果たして彼にとって救いとなるのでしょうか?

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