クレイジーすぎて笑うしかない

発想の自由さにポカーンと開いた口が塞がらない、作者様の悪戯心と子ども心がさく裂した型破りな冒険ファンタジーです。

主目的として「タクシードライバーである主人公の健太郎がエルフの王女を護衛しながら、人類と妖精の友好条約締結会議場まで送り届ける」というものがあるのですが……気が付けば異世界の戦場で無双して共和国の独立に貢献していました。

『不思議の国のアリス』風味というのでしょうか。難しいことは考えなくていいんだよ、ただこの展開される奇抜な物語に身を委ねて楽しんでくれ。そんな作者さまの想いが伝わってくるかのようでした。異世界というのが一般的なファンタジーとは少し違って「物語の集大成」であるとした捉え方は『はてしない物語』に近いものがあると思います。

この自由度の高さや勝手気ままな冒険は、童心というものを忘れた大人には書けるものではないのです。その柔らかな想像力は本当にうらやましい限り。

ただ一つ。同名のタクシードライバーシミュレーションゲームとは微塵も関係ないし、カーアクションとか期待した人は……まぁご愁傷様です。
残念だったな、トラップだよ。