誤解したりすれ違ったり、失ったり。それでも彼等は恋をする

大好きな恋人に訪れた突然の原因不明の死。そしてやはり理由も理屈もわからないまま時間を遡ったオリアナは、今度こそ死なせないために奔走する。

竜神と魔法使い、ファンタジーな世界で織りなされる青春と循環と深い愛の物語。記憶を持つが故に必死に足掻く者。何も知らないが故に翻弄される者。愛する人を失いたくない必死さと、自分ではない誰かを見られているようでまだ幼い心に振り回されるいじらしさ。逆行、前の人生の記憶といった謎を孕みながら、年相応に己の心と歩んでいく姿は可愛いと言うほかない。繰り返しの中で周りとの関係性も周りの物語も別の側面を映し、読み終える頃には誰もを好きになっている。
名作でした。

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