書いときたいのは、かなり深刻に厄介なお尻問題!

著者さんが2018年の10月から連載しておられるエッセイ『炊事は僕の担当です』のスピンオフエッセイ。本編は夫である著者さんがなぜ炊事担当に着任したのかから始まり、食事にまつわるお話あれこれが綴られているのですが――その中で再発してしまった痔のお話を切り取ったものがこちらなのですね。

エッセイへ魅力が宿るには、どれだけ著者さんが赤裸々になれるかが大きく関わります。そしておもしろくなるには、著者さんがご自身の赤裸々をどう調理できるかに依るわけです。

著者さんの筆は、この赤裸々を軽妙に語りあげます。それなのに作中で着々と大きくなっていくんですよね、痔と向き合う恐怖が! ネタを読み物としておもしろく調理できる技術が高いのはもちろんですが、ご自身をネタとして扱いきる覚悟の高さ、超すばらしいですよ。エッセイを読むだけでもおもしろいのですが、お目にかかって直接お話伺いたくなります!

冬はちょっとお尻に辛い時期ですので、やさしくいたわりつつ。著者さんのおもしろ赤裸々お尻事情を覗き見させていただきましょうー。


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)