堕ちた転生者を討ち果たせ。七つの大罪にて七英雄に挑む、異世界復讐譚。
- ★★★ Excellent!!!
異世界転生の記憶を宿す「魔導剣士」の女性、アン・サタナエルと、彼女に協力する現地種族の仲間たちが、かつて魔王を倒した英雄である七人の異世界転生者たちに挑む、異世界転生・復讐バトルファンタジー。
異世界転生モノの王道通り、この世界においても転生者にはチート能力というものが与えられます。しかし、主人公のアンは転生前――日本人だった時に、盲目で恵まれない人生を送った人物であり、異世界転生は当人が望んで得たものではありませんでした。
アンは幼少時ほんの数年、「視力によって世界を見る」という幸せを与えられ、そこから一転、すべてを奪われることになります。それゆえに、アンが英雄を討つのは使命であり、復讐のためでもあるのです。
彼女は自分の行ないに正義を掲げることはしません。自分の動機が怒りであるため、「憤怒」の大罪を掲げ、仲間を集めて「七つの大罪」になぞらえてゆきます。聖人殺しと呼ばれる獣人、少女の姿したスライム、――……。
大罪が七人集まっていなくとも、当然ながら英雄たちは待ってはくれません。
異能という面ではそれほど強力ではないアンと仲間たち、協力者たち。首の皮一枚で死線をくぐり抜ける大罪たちが、英雄たちを討ち果たす日は来るでしょうか。
キャラの個性や、臨場感と迫力にあふれるバトルが魅力の、異色な異世界転生ファンタジー。ぜひご一読ください。