現代の英国を舞台にした、魔法使いたちの物語です。
魔法使い専用の列車とか魔法学校とかが出てきて、『ハリー・ポッター』を彷彿させる世界観。
こういうのが好きな人には堪らない!
実力はあるがフリーランスで活動している魔法使いアーチボルト・ウルフのもとに、卒業した魔法学校から依頼がくる。3人の問題児を1か月間だけ弟子にしてくれというのだ。
しぶしぶ引き受けるアーチボルトだが、3人の素性にはなにやら秘密があるようで……。
腕白だけど素直な子供たちが可愛いです。そして、大人のくせに、ちょっと子供っぽいところがある師匠との取り合わせもいい。
文章も書きなれた感じで、テンポがいいです。
が、やはり気になるのは、ここまで世界観を『ハリーポッター』に寄せてしまって大丈夫なのかな?というところ。
オマージュとかリスペクトとかの範囲内であるとは思いますが、オリジナリティーという観点からは弱いなという印象。
もっとも、こういったジャンルの作品として読めば、問題なし。十分楽しめます。
ストーリーが面白い?、世界観に入り込める?、描写が分かり易い? etc…、レビューを書こうとしたのですが、手が止まってしまいました…。何故ならこちらの作品は「今まで見た事のある『褒め言葉』が全て該当してしまう」作品だからです(>_<)。…的確な褒め言葉が見つかりません。それくらい素晴らしい作品でした。
なので、私が一番推したい部分だけ書きます。
師匠(主人公)の人柄が素晴らしいです! 高い能力を持ってますが、人間臭く優しいです。組織や社会からは離れた「フリーランス」の立場であっても自分の信念をちゃんと持ってます。肩書きや世間体よりも物事の根っこを掴んでる感じです。
そして会話の一言一言が非常にセンスが良くてオシャレなのです。冗談や何気ないやり取りが本当に「さりげなくオトナ」であり、上品でカッコイイです。
こんな師匠が居たら私も師事を仰ぎたいです。でも、登場人物は架空の存在なので、…せめて暫くの間だけでも作者様を私の心の師匠とさせて頂きますm(_ _)m
ぜひ沢山の方に読んで頂きたいと思います!自信を持って最高傑作だとお薦めします!!
英国で唯一のフリーランス魔法使いのアーチボルト・ウルフはひょんなことから退学の危機に陥った三人の問題児たちの「師匠」になることに。
何やら命を狙われているらしい彼らの事件に、彼自身も巻き込まれていき——?
英国にある魔法学校を舞台に、へらず口と悪戯が身上の魔法使いの師匠と何やら事情を抱えた生徒三人組の魔法と冒険の物語です。
鮮やかな魔法の描写、そして主人公アーチの魔法と物理のコンビネーションの力技(なんと武器はスーツケース!)で殴り倒していくスタイルにまず度肝を抜かれました。
わくわくするような魔法に満ちた世界観に加え、何より魅力的なのは登場人物たち。主人公のアーチは暗い過去を抱えながらも、そのへらず口と次々開示される悪戯遍歴が、問題児と言われる弟子たちさえも唖然とさせるほど。
それでも彼の「悪戯」にも理由があり、その根底にある優しさに気づいてしまえば、三人組を含め、読んでいる私自身も彼を好きにならずにはいられませんでした。
クールに見えて、弟子たちが迷ったり、危機に晒されたりした時に見せる彼の優しさと心の底からの言葉は、胸を打つものばかりです。
そして、彼の弟子であるアーネスト、ダニエル、ヴィンセントもみんな個性的で、それぞれが抱える事情もありながら、やがて彼ら自身の存在がアーチにとっても救いになっていったように思えました。
敵対する登場人物たちにもそれぞれ抱える事情や理由があり、こんがらがった優しさが時に仇になってしまうこともある——それでも、辛い出来事があっても、人は時に互いを支え合うことで乗り越えていける、そんな希望に満ちた素晴らしい物語でした。
おすすめです!
強くて賢くて弁も立って、ひとりで何でもできてしまう──独りで平気だからこそ、自分がちょっぴり孤独を感じていることに気付いていない、フリーランスの魔法使いアーチ。
学生時代は「史上最高の問題児」と呼ばれた彼が今回受けた依頼は、母校で停学を命じられた三人の少年魔法使いを、停学期間中預かって鍛え直すこと。
史上最高の問題児 × 三人の問題児達
この構図だけでどうなってしまうのだろうとハラハラしますが、ストーリーは決してそれを裏切りません。師匠があんまりメチャクチャやるものだから、少年達がだんだん諌める側に回りだすくらいです。
そんな楽しいやり取りが、テンポ良く色鮮やかな描写で描かれます。
そう、何といってもこの作品の醍醐味は描写の巧みさです。
「ローファンタジー」という言葉はきっとこの作品のためにあるのでしょう。異世界ではなく現代の英国を舞台としているからこその、リアルでカジュアルな心理描写。そしてキレイ過ぎない地に足のついた情景描写。
ありがちな「金髪碧眼の皮を被った日本人」ではなく、ちゃんとキャラクター達もイギリス生まれのイギリス育ちだと感じられます。
そしてそんな細部に魅了されながらも、物語はどんどん謎を深め、戦いは深刻に。そして問題児だとばかり思っていた弟子達は、師匠との絆をばねに才能を開花させてゆく──
最後までワクワクが途切れない、上質なファンタジーです。ぜひご一読あれ!
負けず嫌いで一匹狼な魔法使いの師匠と、問題児だけれど才能に長けた少年三人の、師弟友情ファンタジー。
舞台は、魔法や幻想種が息づく英国。魔法の素質を認められた者が入学するという魔法学校「アンブローズ・カレッジ」の卒業生で、今はフリーランスの魔法使いとして活躍している「アーチボルト・ウルフ」は、恩師の依頼によりカレッジを訪れます。
恩師――銀の長髪に笑顔が地顔、年齢不詳の食えない教師・バロウッズ先生――に押し切られる形で、アーチは三人の少年たちの師匠を任されてしまったのでした。元よりフリーランス、危険をともなう仕事に子供を連れて行くわけにもいかず……と思い悩むアーチですが、どうやら三人は何者かに命を狙われているらしく――?
冒頭からいきなり事件、テンポ良くストーリーが進み、不穏が襲いかかってからの、魔法バトル。ちなみにアーチ師匠はスーツケースをぶん回して戦います。魔法の詠唱も言葉遊びのような面白さで、口の減らない子供たちと口喧嘩では絶対に負けない師匠の掛け合いも非常に面白い。
小気味良く進むストーリーの背景には、アーチの父が『魔法使いによって殺害された』事件が横たわっており、それが徐々に現在の事件ともリンクしていきます。謎解きミステーとしても文句なしに面白い、傑作だと思います。
イギリス舞台の魔法モノ、ちょっと海外児童文学っぽさのある、大人と子供の友情物語。これでピンときた方は、間違いなくハマるんじゃないでしょうか。
文庫本二冊分ほどに番外編付き。ぜひご一読ください。
レベルが高い。とにかく高い!
私とは脳の構造が違うのだと思います。読み込んで表現の勉強をしたいのですが、レベルが違いすぎて勉強になりません。
「実は私……プロ作家なんですよ~。ちょっと趣味で書いてて~」
って言われても驚きませんよ。「やっぱりな」って思うだけです。
まず、キャラクターの会話。
「ついさっき言ったことをもう忘れたのか、アーチ? 君の脳味噌は鶏以下か?」
「鶏よりは上ですよ。三歩以上歩いたので」
とか
「おや、私の嘘を見破れないほど耄碌したのですか? では、退職も間近ですね」
とか……。他にも沢山あります、ごく一部です。
いやね、ため息出ますよ。本当に。自分の才能の無さを突きつけられて消えてしまいたくなりますね。
そして魔法の表現、戦闘シーンの表現。これはちょっと長くなるので書き出せませんが凄いです。えげつないです。
というか私、こんな長文レビュー書いたの初めてなんですが……。
とりあえず、最後に一言いいですか……?
――天才。
一部の隙も無く、一文の無駄が無い。
『完璧』な作品です。
今作を読んで作家人生を諦める程に、洗練され、練り上げられ、高く積み上げられた作品です。
ハリポタが100点なら『魔法使いの師匠』は99点には達しています。異論は、全話じっくりねっとり読んだ人からなら受け付けます。 異論又はクレームは井ノ下功さまの近況ノートにお願いします。 (ガクガク
皆様でドンドンこの作品を押し上げて、続きを書いてもらいましょう!!(我儘
本当に騙されたと思って読んで欲しい……
この作品が埋もれているのが悔しくて仕方ありません……
どうか読んで下さい、よろしくお願い致します🙇♀️🙇♂️