企画入賞レビュー『ギャンブル、それは雄鳥のロマン』

リズミカルでイキイキしてんなぁ~これ。
カラスのギャンブラーたちが「ミミズ競馬」とでも言うべきレースに、集めた光モノをつぎ込んでは一喜一憂するメルヘンです。カトゥーンアニメのような世界観はとっつきやすく魅力的。カラスのくせに渋いギャンブラーを気取っているキャラクター達は、ワルなんだけどちょっと抜けていて、どこか憎めない奴らなのでした。

行われるレースもまた面白い。馬の代わりに、なんとミミズが走るんですってよ奥様!
どんなレース内容になるのか想像もつかないでしょう? 単に地面を這うだけじゃないんですぜ、これが。
ちゃんと本命や対抗馬、オッズなんかも決められており、賭け事の雰囲気もバッチリです。その上でオチまでクスリと笑えるんだから文句の付けようがありません。
暗いご時世だからこそ、せめて明るく笑えるものを読んで欲しいものです。もっともそこはカラスの世界なので、野生動物の厳しさみたいなものは含まれているんですけれどね。
リアルのミミズは嫌いでも、メルヘンなんだから気にするなって! 

とにかく楽しい作品をお探しであれば是非!