架空文通~架空の文通同好会があった。架空の文通仲間は全国に散在していた。ある時、男が入部してきた。毎日、男は文通に血道を上げた。真摯に、ときには真摯すぎるきらいがあった。これはその男の渾身の返事集~
第12話 【架空文通】後藤さんからのお手紙に対する返事(バカリズム、ちゃぶ台と畳マット、生活を豊かにするもの、いとうあさこ)
第12話 【架空文通】後藤さんからのお手紙に対する返事(バカリズム、ちゃぶ台と畳マット、生活を豊かにするもの、いとうあさこ)
後藤さんへ
お元気ですか。今、書いている時点で夕方ですが、暑いです。
【架空OL日記】
バカリズムの『架空OL日記』で、サエちゃんがにくたらしい、とのこと。
分かります、女性が、ああいうあざとい可愛さを無意識に発揮する女性を敵視する気持ちが。だって、世の殿方が、みんな、そっちになびいちゃうんですものね。
でも、大丈夫です。サエちゃんに人知れず眼をくれている貴殿を、私が人知れず見ていてあげますから。
【ちゃぶ台と畳マット】
一人暮らしを始めて、ちゃぶ台と畳マットをニトリで買ってきた、とのこと。
オウ、ノオ。確か、貴殿は北欧系で部屋作りをする、と宣言していたではないですか。あ、それとも、今流行りの北欧系にデザインされたそれらを買ってきたのでしょうか。
貴殿のリアルあつ森作りが楽しそうで、目に浮かびます。完成したら、写真送ってください。
【生活を豊かにするもの、こと】
生活を豊かにするもの、こと、って、なんですか、とのこと。
うわー、こういうのって、真面目に考えちゃうんですよ。そうですね、ものだと、ストレスの発生しない椅子、キーボード、マウスですかね。一応、作家を目指していますので、体と接触するものにストレスを感じなければ、創作活動に没頭できてうれしいのです。
ことだと、恋と海外旅行です。恋をすると、朝七時に、よしっ、起きて、コーヒーでも淹れて、ひげでもそるか、となり、家を出ると、野良猫をなでてあげて、「お前も頑張れよ」などとのたまい、駅では、彼女の為に体力つけなきゃな、と、階段を二段抜かしで登ったりするようになります。
海外旅行をすると、俺は何を小さく考えていたんだ、と、すっかり、憑き物が落ちたようになります。心の垢すり、とでも言いましょうか、日本に戻ってくると、今まで、こいつらと一緒に眉間にしわを寄せて悩んでいたのがバカバカしい、と思えてきます。
【いとうあさこ】
いとうあさこが好きになり、土曜日の朝七時のラジオ番組を聞いている、とのこと。
最初に思ったのが、よく、土曜日の朝七時に起きられますね、という事です。は、もしや、貴殿は恋をしているのですか。がっくし。
今、ユーチューブで彼女が出ている『忘年会あるあるベストテン』を鑑賞しました。彼女のなりきり方が可笑しかったです。
え、私が好きな芸能人ですか。高田純次です。以前、何かのコンテストの司会をしていた彼が、「それでは、審査員の方々に、たった一言だけ、お願いしましょう。」と言って場内を笑わせたのが、好きになった理由です。
ところで、私は芸能人を呼び捨てにすることにしているんですよ。と、言いますのも、萩本欽一が言っていたのですが、「芸能人は呼び捨てにされているうちが華だ。さんとか様がつきはじめたら、後進に道を譲らないといけない時期がきたということだ。」と。これを聞いた時、なるほど、と思ったのです。あ、でも、貴殿は貴殿で好きなようにしてください。
【最後に】
やっと梅雨が明けたので、今日の夕方、ジョギングをしてきました。いや、腹の肉を取らないと、スーツが着られないので。
またね。
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