おおよその物語にとって欠かせないのは成長や変容。
ですが、この作品の重要なポイントの一つは「変わらないこと」。変わることは美しく素晴らしいことですが、その影で消えていくものも必ずあります。それがいいか悪いかを置いといて、そんな部分も変えることなくまるごと尊重し、愛せるおおらかな生き方は、この時代に必要なことでしょう。
それを、「不良品が擬人化した少女たち」というフィルタに通すことで読みやすく、受け入れやすい形を与えたんだな、という印象を受けました。強いメッセージ性を感じる作品ですが、個性的な設定と内容がそれを適度にほぐしてくれています。