家政婦
明くる日も、
彼女と私が朝食を取る間中、勝江さんは好奇の目をこちらへ遠慮無しに投げてきた。遠戚の娘という事にしたが、彼女を
「退屈だろうから、何かさせて貰うと良い。」
「はい。」
「何かって、仕事をですかい。」
「何でも良い。掃除でも、何でも。町へ下りても良い。買い出す物もあるだろう。世間を余り知らぬのだ。」
そう決め付けてしまったが、彼女も別段否定しなかった。悪い意味では無いと耳打つと、分かります、と微笑んだ。
「あたしゃてっきり、旦那様の洋風趣味が生身の人間まで持ってきたのかと思いましたよ。」
「そうか、やはり目立つかな。」
「お綺麗でいらっしゃいますしねえ。」
「それは困るな。」
「これなら良かろう。」
「ま、いいんじゃないですか。」
「帽子はどうだ。麦藁帽があったろう。」
「御嬢様のですか。まだこの時季ですよ。
「そうか。ならよそう。」
勝江さんには、体格のせいか、どこか人を安心させるところがある。彼女の相手を任すに恰好だった。
「では行って来るよ。遅くはならん。」
車を待たせてあった。私に辞儀をする勝江さんを真似て、彼女も頭を下げた。憂いの解消になれば良いが、と私は望んだ。
暗くなる前に屋敷に戻ったが、果たして彼女は、翳りが幾分
その晩から、彼女には娘の部屋を使わせた。やや手狭になるが、
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