春がやって来ればきっと

春がいつまでも変わらずやって来ることを願わずにはいられない作品です。二人のほとばしる愛は少しずつ冷めていって、それでも春がやって来ればきっとと思います。終わりを感じさせるような文章で、途中から何か割り込みたくなりながらどぎまぎと読んでいました。喜ばせたい一心の行動が誰かを傷つけてしまうこと、その怖さ、そして終わっていってしまう状況が、誰も悪くないのに苦しくなってしまっていて、巧みに浮かび上がらせる妙技を感じずにはいられません。