カメレオンは天敵から身を守るために擬態するとどこかで聞きました。だからこの学校は心を落ち着かせられる場所ではなく、敵のいる場所だったんじゃないかなぁなんて考えています。なんでもなれるが何者にもなれないだったカメレオン君が、たとえそれが誰かの真似でしかなかったとしても何かになれたと思えていたならいいなって思います。きっとひそむ孤独を知る瞬間の表現で、光景がどっと押し寄せてきました。ありがとうございます。
読む機会があったものの読めていなかった。そのことを読み終わって酷く後悔した。あぁ、もっと早く読めばよかった、と。自分らしさ、個性、そういったものがテーマになっているこの作品は、学生のみならず多くの人に響くだろう。今もなお、自分というものがわかっていない人に、この作品が届きますように。
登場人物のアイディアがまずすごい。そして、何人も出てくるのに全員を読者が把握できる。短編ならではのテンポの良さに、きちんとテーマが詰まっている。余白を残す描写が、読者に解釈な余地を与えてものすごく良い…