壊れそうな糸切れをたぐるような友情を感じました。そこには好きな人との恋愛で一喜一憂することも、部活動で優勝を目指して汗を流すこともなく、ただ小説でのみつながった関係があります。しかし主人公はそれだけの日々と思うことなく、充実していて名残惜しいものだと感じているような気がします。だからこそ最初の場面で靴紐を結ぶことさえ惜しんでしまったのです。主人公とその友人の朝倉との会話には、手短でありながら信頼関係が垣間見え、そのような青春に、ドラマや漫画でおなじみのものとはまた違う眩さを感じてなりません。ありがとうございます。