第3話 代価と得難い程のもの

「こちらは副官の一人

エリュシュ・フイナリア・アオイ」

まだ幼さが残る美しい娘 淡い青の髪に手に虹色のウロコがある

瞳の色はピンク色 彼女は嬉しそうに

ニコニコと笑う


「もう一人は同じく副官のエリック・

アレストラ」

茶色のくせ毛の男性 50代前後

彼もまた優しく微笑んでいる


「・・・我らは砂漠の民 西の部族の一つ

族長のファリアス こちらは息子フェレイラ 副長のエテルナだ」


「・・まずはこれをどうぞ」大きな透明な

容器にはたっぷりと水が入っている


「!」


「まだ沢山ありますよ

山のようにある空気から水素を取り出して作る事も出来る」


「え・・空気から水を作る? 魔法なのか?」

「科学と言うものです魔法ではありません ふふ」


「我らは沢山の星の者達とつながり

同胞となり

共に発展してゆく事を願ってやみません 


それが連邦という組織 

まあ、貴方方の部族が一つに連盟を組むようなものです」


「本来なら 科学技術が一定水準発展するまで我らは それを見守るのですが 

最近は海賊に 悪質な民間商人の横行

その被害で壊滅した惑星も多い 


この星には私達や彼等 海賊達が欲しがるものが沢山ある


ああ・・海賊とは言うのは 盗賊とか略奪者だよ」


「・・・欲しいものとは?」ファリアス


「白い砂に交じった黄金 砂金 金色の砂に珍しい水晶 石油・・黒い水

更には地下に 大地の奥深くに 貴重なレアメタル 


まあ・・石の一種とでも言うべきかな

信じられない程の量が大地の奥底にある」


「それにこの環境 危機的な状況だ」クリストファル


「多数の病人がいると思います 

私は医師も兼ねてます薬も用意しています

あ、勿論 食料もですよ」エリュシュ


「連邦の組織は 希望するなら


我らの技術提供と

最高基準の環境整備のお手伝いを申し出ています」


「・・言葉の意味が不明だ」


「水の供給 水が何時でも好きなだけ飲めます


豊かな食糧の為の食用植物に食用動物 


それらが飼える環境を作り更には快適な環境 ドーム都市・・


過酷な砂漠に熱くも寒くもない場所を作ります 


そこに住めば人達は楽に快適に暮らせますよ


それに昔あったオアシスや湖に川を復活 

将来的 最終的には 私達のように宇宙船が持てます」


「・・・代価は金色の砂や黒い水 

地下の珍しい石か」


「その通り」 


「混乱しているこの世界を安定したものに

するお手伝いもします」微笑むクリストファル


「・・夢のような話だ」


「まずは船の中で話しませんか?

それから貴方の住む村へ行きましょう 

その乗り物の動物

ええっと・・それらも積み込めます」


「デアンカだ」

「デアンカですね まずは船にどうぞ」


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