第2話 彼方からの天空船(宇宙船)

「父様ああ」

デアンカ(8つの足を持つラクダ)に乗って男の子がやって来る

「枯れた井戸の中のコケからムス(小さな果実)を沢山取ってきました うふふ」


「うむ ご苦労だったフェレイラ」


小さな息子の頭を愛し気に撫でる


「・・フェレイラは母に似てきたな」

そっと呟くファリアスの妻は水不足が原因で昨年亡くなっている

「他の者達は砂魚を採っていました あ!!」


砂の中から化け物が表れる 


3つ目で毛むじゃらの不気味な化け物 背は4メートルはある

雄たけびをあげて ファリアス達に襲い掛かる


驚きもせず 平然と息子のフェレイラを自分の背に追いやり

腰布に付けていた 棒を手に取る


棒は収縮性でスイッチ一つで

伸びて槍となる

素早い動きであっと言う間に倒してしまう


「今晩はご馳走だな」

「うん!父様 目玉の部分が美味しいよね」


「族長様 流石です」


空は夕暮れの中 夜の闇の色に変わろうとしていた


「おっと もうこんな時間だ

星が瞬いている エルジェンシアの月も美しい」

「あれ・・月の近くにあんな星あったけ

父様?」

「いや 覚えがないな あれは・・」


「星が大きくなって  

 こちらに来ています 族長!!」


「なんだ!!球体に似た物がこちらに

向かってくる!」


光る星に見えたもの 球体に似たもの

それは宇宙船と呼ばれるもの


・・・後に天空船と呼ばれる船である


中で数人が会話していた


「惑星の生命体を発見 三体 人間ですね」


「ほぼ水源がないこの状態でよく生き延びたものだ」

「最後の湖と見られるものは 数年前に枯渇しています」


船は静かに ファリアス達の前に降り立つ

継ぎ目がない球体に似たものの扉が開く


「・・・初めまして 砂漠の星の方々

私は 空の星空 彼方の宇宙から来た者

連邦のクリストファル・エセルファリス」そう言って軽く微笑んだ者

金の髪で少し尖った耳 青の瞳の30代後半か40代半ばの青年









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