来世の約束 赤い砂漠の惑星の物語

のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます

第1話 消え去った命の水

3つの月を持つ 赤い砂漠の惑星 


そこに住む者達は歌う 祈りを込めて

果たされなった約束が 想いが叶う日が来るのを信じて


先祖である彼等のファリアス達が遺した伝承を歌い継ぐ


我ら祈りたもう 数百年後に叶うとされた約束


砂の魔人のくびきから逃れる日が来ると


再び 天より 奇跡の技を持つ善たる天空船が降り立つ事を

水の民人たる彼等 天空人らが戻る日を・・


戻ると交わされた約束と繁栄の時を祈って


天空人の言葉と伝承を我ら砂の民の末 

子供らに伝え 叶う日を待ち続ける



それは数百年前の出来事・・


変わらずに

赤い砂漠の砂が舞い踊る


そこは3つの月を持つ 砂の惑星

赤い砂だけでなく 

白と砂金の入り混じった砂、砂漠


様々な色の水晶の丘 黒い石油の水たまり


生き物たちは巨大な湖や幾つかの湖で生まれ

文明もあったようだが今は見る影もない


砂漠の中に飛び跳ねる砂魚の群れ

危険な化け物達


湖も全て消え去り サボテン

僅かな地下水で人々は生きながらえていた


水を必要としない動植物以外 死滅は時間の問題


砂漠に住まう生き残りの部族たちの一つ


二人の人物が会話していた

「ファリアス族長様」「なんだエテルナ?」

「どうか少し休んでください ずっと水の確保の為にご無理をされて・・」


「私なら 大丈夫だ この井戸も枯れてしまった別の水脈を捜さないとな」


「ザファール(サボテンの一種)からだいぶ 

水を絞りとりましたよ多少 苦みはありますが」


「それとデアンカ(ラクダの一種)からも乳と水袋から少々」


「そうか 良かった 病人たちは?」

「・・・今日は3名死にました」


「薬草になる植物も枯れてどうしようもない

種なら残っているが」


「・・・南から来たものによると

南の民たちは ほぼ全滅したそうです


地下水脈が完全に枯渇したとの事

ザファールも何もなく 一部の生き物以外は全て・・」


「2つの部族からの連絡が途絶えました


水不足で全滅したか 好戦的な部族に襲われたのではと思います」


「大昔にあったという 

水の神の生贄の儀式をしてみませんか?

私もですが

村の娘たちも生贄になって構わないと・・」


「・・・無駄だ それは迷信に過ぎない

ただの無駄死だ 私は許さんぞ」


「族長 儀式で殺して私達の生き血や体液で 

せめて水分を補給してください


子供達が哀れです お願いします」


「駄目だ 術を捜す 何としても」


「・・・もう夕焼けの時間か 村に戻ろう」

優しく微笑むファリアス

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