孤高さと平凡なる幸せが交差するとき

かつて二人でバレエを習っていた姉妹。
妹の方がその道を諦めてしまったのに対し、姉はまだトゥシューズを履いていた。

やがて妹は姉の勧めで結婚をするが、病魔に襲われてしまう。妹の夫のために、姉は日々食事を作りに夫婦の家へと出入りするようになり……。

甲斐甲斐しく妹の世話を焼きながらショーダンサーをする姉の姿が美しかったです。そして、舞台に上がっていないはずなのに孤高の美を保ち続ける妹もまたバレリーナのように美しいのです。

そして、病に蝕まれている妹を通して姉は自分が求めていた幸せに気がついてしまう。耽美的で、そして苦い、とても美しいお話でした。