お嬢様は、残念ながら主人公(ヒロイン)ではありません。by完璧執事。

 女性主人公が主人公(ヒロイン)ではない、という意外な設定から始まるラブコメディ。
 主人公は完璧な執事から、ある衝撃の事実を伝えられる。それは、この世界が恋愛趣味レーションゲームの中であり、主人公はそのゲームの悪役令嬢として転生したということだ。しかも、前世の記憶を持っているのは、主人公とその執事、そしてゲームの中でヒロインと結ばれる相手であり、主人公の婚約者である王子だ。そしてこの王子の趣味はいわゆる百合であり、ヒロインと主人公の仲を推していた。
 主人公は悪役令嬢ながら恋愛ものは大好物。そこでこの世界(ゲーム)を有効活用して、恋愛相談を受け付けることに。まずは友人の女性騎士と騎士団長の仲を取り持つことに心血を注ぎ始めるが、上手くいかない。何故ならこの二人、お互いを騎士として意識するが故に、両想いにもかかわらず、どちらからも告白できずにいたのだ。告白には決闘の勝敗が大事? 何故そうなる⁈ 
 そこに、ドジっ子キャラのヒロインが乱入し、何と百合推しだった王子がヒロインに一目惚れをしてしまう。こうなったら、ここもくっ付けてやりたい。しかし王子が百合と恋愛の間で悩み始めて?
 しかも主人公の執事に王子の妹が惚れこんでいるらしく?

 これだけの主要キャラクターがいながら、とても読みやすく、ラブコメディ好きな方には、特におすすめです。キャラクターの造りが巧く、ヒロインとそれを冷静に支える執事は、もはやボケとツッコミに見えてくるほどです。

 果たしてヒロイン……いや、主人公(悪役令嬢)の恋はあるのか?
 そしてキャラクターたちの恋を成就させ、
 バッドエンドをハッピーエンドに変えられるのか⁈

 是非、御一読下さい!