渇き切った人魚

《人魚》だった《人間》が、一人絶望によって、水を得た魚とは真逆の、陸に上がった河童のように、力を失って《人間》へと落ちていく姿は読み手も絶望へと落とします。最後、水を奪われて喉が干からびたように、誰にも伝えることが出来なかった思いは、どこへ向かうのでしょうか——