「飼いならすって、それ、なんのことだい?」

――「よく忘れられてることだがね。仲良くなるっていうことさ」


と、これはフランス語で書かれた星の王子さまの引用ですが、この物語にも、「飼いならす」という言葉がキーワードとして登場します。

野良猫のような目をしたジュール。
恋をしたからといって、それは飼いならせたということになるのだろうか?
両思いになれたからといって、それは心を開けたといえるのだろうか?
たとえ同棲しているからといって、愛をささやくことさえむなしく響く。
なら、どうすればいいのか……。
何度も何度も繰り返されるやりきれなさに、どう決着をつけるのかとはらはらしてしまいました。

さて、ラストがどうなるかは、読み終えた人へのプレゼント。
フランス人ならではの価値観や考え方のディティールはさすがです。

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