畏れよ亡者ども。我、死を喰らう者なり。

 この世には亡霊がいる。
 いつ死んだのか、いつからそこにいるのかはわからないが、とにかくいる。いるったらいる。そこら中にうろうろしていて、性質の悪い輩なら生きている人間に憑りつこうとしてくる。
 彼らが、どこから来たのかはわからない。
 だが。どこへ行くのかは。主人公の龍牙は知っている。
 腹の中だ。
 龍牙のその腹の中だ。
 彼は、亡霊を食べる、特殊な力を持っているのだ。

 そんな。この世とあの世両方の理のはざまで生きる少年龍牙と、彼の家族と、彼を取り巻く人々の日常のお話です。
 本来は自分のことで手一杯だけど、周りの人間が危ない目に遭うのもなかなか放っておけず、巻き込まれたり首を突っ込んだりする龍牙の『人の良さ』に良い感触得ます。

 七話以降の展開にも期待しています。